
“一生に一匹” を
確実にキャッチするロッド
Record Breaker 開発者
RIVER FREAK プロガイド 高丸翔平 氏
- ロッドのコンセプトを教えてください
- 「一生に一匹のメモリアルフィッシュを確実にキャッチすること」を掲げて開発しました。
- ロッドを製作しようと思ったきっかけは?
- ガイドとして年間を通じ多様なフィールドへゲストを案内していますが、年に数回は “本当にデカかった…” というサイズの魚をバラしてしまうことがあります。そんな場面で「もし別のロッドだったら獲れていたのでは?」と考えるようになり、誰にでも薦められる “獲れるロッド” が存在しないなら自分たちで作ろう── それが出発点です。
- 実際にロッドづくりは大変でしたか?
- 想像以上でした。メーカーへ意図が伝わらなかったり、ガイド間でアクションの好みが割れたり……。加えて “手に取りやすい価格” も重視したため、コスト面でも試行錯誤が続きました。
- 製作で最もこだわったポイントは?
- ロッドパワーのバランスです。硬すぎず柔らかすぎず、曲げ込むほど増すトルクを追求しました。パワー重視に振り切るとキャストしづらい “ダルさ” が出るため、テーパーデザインを徹底的に見直し、シャープに振り抜けるファーストアクションへ仕上げています。
- ブランク素材は?
- 中弾性カーボンの複合構成で、近年のロッドと比えて厚巻きです。重量増は塗装を工夫して軽減し、高耐久性も確保。世界中どのフィールドでも安心して使えるタフさが特徴です。
- Record Breaker の主なキャッチ実績は?
- 最大は 115 cm のイトウ(速流下)。ほかにもメータークラスのイトウ多数、80 cm超のアメマス、70 cm超のニジマス、海外では 40 lb クラスのキングサーモンや多数のスチールヘッド、湖では 80 cm超のブラウントラウトと、レコード級の報告が続いています。
- 大型魚がキャッチしやすい理由は?
- 粘り強さ × パワー のバランスです。本流では足場が悪く立ち位置を変えられない状況が多いですが、Record Breaker は強烈な走りを止めつつ寄せられます。よく曲がるため急な方向転換でもテンションが抜けにくく、バラシを抑制。また 13 ft に抑えたことで体力的負担を減らしつつキャスト性能も維持しています。
- どのようなテストを行いましたか?
- 角度を変えた負荷テストを繰り返し、ドラグチェッカーで数値管理しました。実釣データを得るためカナダのガイド仲間にも協力を仰ぎ、キングサーモンとスチールヘッドで徹底レビューを実施しています。
- 推奨ラインを教えてください
- CANTAM Double #7/8 または #8/9 がベストです。
・ディープウェーディングやテクニカルな場面:#7/8
・広い河川での遠投:#8/9
軽快に振りたいなら #7/8、負荷をかけて飛ばしたいなら #8/9 がおすすめ。スカジットは 550 grain を基準にすると特大フライも難なく投げられます。 - 新たに 12’11” #6/7 が追加されましたね
- 前回は思うようなアクションに仕上がらず断念しましたが、今回は river peak さんが開発を引き継いでくださり感謝しています。#6/7 は国内ほぼすべてのフィールドで扱いやすく、定番モデルになると確信しています。価格面のコストパフォーマンスもそのまま継承されました。
- 最後に読者へメッセージを
- #6/7 は扱いやすさ、#8/9 は “ここ一番” で真価を発揮する一本です。シンプルで飽きの来ないデザインも魅力。エントリーの方はもちろん、ベテランの方にもぜひ手に取っていただきたいですね。